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科学技術で未来はバラ色
政府による科学予想図
 〜デルファイ調査〜

 ブログに書いた「イノベ家の一日」の「デルファイ予想」があまりにも面白いので、おおよそ全部をここに転写することにしました。

 スキャニングして選択的に文字認識させたものですので、ところどころ文字脱字があるかもしれませんがご勘弁を。

 文字ばかりで読みにくいかもしれませんが、42項目のうち、興味を持たれた箇所だけをお読みくだされば良いかと思います。

 わたしは、昔から、こういった科学者による『未来予想図』っていうのが大好きなんです。まあ、だいたい外れますがね。

 今回の世界恐慌で、これらの予想も後ろ倒しになるんでしょうか。

 ともかく、ようこそ、(政府が描く)バラ色の未来へ!

(*)ここで、デルファイの中の年号は(技術的実現時期/社会的適用時期)を表す。

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1.マイクロカプセルの診断

ヘルスチェック
「日常生活の主要なシーンとして家庭を例に挙げると、そこには、家族の健康状態をモニターする各種小型測定機器が常備されており、個人は携帯型の情報通信機器を通じてそのモニター情報を得て、常時、自らの健康状態を把握している。
健康情報は、時間がかからず、操作が簡便で、ほとんど痛みを伴わない検査・診断法で取得しており(血液・尿・汗などの微量・無痛採取と分析システムなどを利用)、健康状態を常時モニタリングするための体内哩込み型センサーチップを使う場合もある。
このように日々収集された健康モニター情報は、マイカルテ(個人の生涯健康医療電子記録)として記録され蓄積されている。
 個人の健康モニター値が異常を示すとアラート機能が作動し、その情報は医療情報ネットワークを通じて医療施設へと伝わる。
その情報を得た医師は、早々に適切な処方(電子処方箋による薬物・食事・運動療法を選び、バーチャル映像や音声を介して、家庭内の個人に納得のいくまで説明する。
薬剤の宅配等により、医師の処方の多くは家庭内で対応可能であり、深刻な病状の場合には医療施設で早期に適切な高度治療を受ける。
 個人情報の漏えいを防止するセキュリティシステムが完備されたマイカルテと医療情報ネットワークの利用により、個人の健康情報は安心してどこでも持ち出し可能であり、他の医療施設に移動、あるいは海外の医療施設を受診する際に多重診察や検査を受ける必要がなく、安心して医療を受けることができる」
●デルファイ調査の課題
 ■個人すべての検査結果、病歴、投薬などの医療情報をカード1枚に蓄積し、利用できるシステム(2009年/2013年)
 ■家庭における健康管理と異常時の診断システム(2012年/2018年)
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2.食品のICタグ
「無線ICタグがあらゆる分野に普及して、多くのモノに無線ICタグが付けられ、コンピュータがモノを認識できるようになる。
 青果物、食肉、鮮魚、加工品などの食品には、RFIDタグなどを貼付して、消費者が、場所、時間、温度、湿度、衝撃、パッケージ開封の有無などの生産〜流通履歴データを簡単に確認できる」
●デルファイ調査の課題
 ■商品や食材の電子タグなどに付与される電子情報と物流・POS・宅配が連動したトレースシステム(食材・リサイクル)の一般化(2009年/2014年)
 ■食品の大半をカバーする世界的トレーサビリティ・システム(2011年/2019年)
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3.立体的なゲーム・ネット新聞
「 趣味噂好や行動特性、また時間、場所、周囲の状況を察知し、個人に適応した情報やサービスが提供される」
●デルファイ調査の課題
 ■いつでもどこでも映画を楽しめるようなディスプレイ装置(2015年/2024年)
 ■家庭内で眼鏡をかけず、かつ疲れないで視聴できる立体TVの一般化(2014年/2023年)
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4.バーチャルカンパニー
「 オフィスを持たず、事業経営はすべてインターネット上で行う年商1000億円規模までのバーチャルカンパニーが可能となるので、大規模事業まで能力しだいで自分で設計できるようになる」
●デルファイ調査の課題
 ■オフィスを持たず、事業運営はすべてインターネット上で行う年商1000億円規模のバーチャルカンパニー(-/2013年)
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5.カーシェアリング
「 ITを用いて交通需要をリアルタイムにきめ細かく把握する技術や、高精度な渋滞発生予測技術が進展することで、道路交通需要の適正化が効果的に実現できるようになる。都市生活者にとっては自動車の個人所有が必要不可欠ではなくなり、カーシェアリングなどの共同所有形態や、HOV(相乗り)やレンタカーシステムの利便性も改善され、マイカー需要が適正化されるようになる」
●デルファイ調査の課題
 ■大都市部における交通量の最適二最小化(TDM)の完全な実施(2019年)
 ■個別配送増加による都市内交通混雑を抑制する都市内共同配送システム(2010年/2017年)
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6.ITS交通事故減・追突防止システム
「 事故の原因となる人的要因を未然に防ぐ機能が交通機関や交通基盤社会に導入され、交通システムの安全性が増す」
●デルファイ調査の課題
 ■車車間通信システムを活用した出会い頭などの事故防止システム(2009年/2016年)
 ■センサーにより自動車故障/事故予知判断ができるシステム(2011年/2016年)
 ■交通事故を未然に回避することのできる自動操縦機能を有する自動車(2013年/2020年)
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7.公共交通
「公共交通と、低環境負荷自動車および道路インフラが高度情報システムにより統合した、新たな都市交通システムが実現する。公共交通の利便性が向上し、自動車への依存が抑制される。道路インフラと自動運転技術が統合することで、交通事故につながるドライバーの判断ミスを大きく低減できるようになる」
●デルファイ調査の課題
  ■高速道路等における安全・円滑に自動走行する自動運転システム(2012年/2020年)
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8.外国人の労働者
「高付加価値の産業を振興し国際競争力を向上させるため、高い能力や技術を有する外国人の管理職・専門職への活用が一般化する。
共働において重要なコミュニケーション、相互理解を助け、言葉の背景にある文化、慣習や社会規範の情報を提供するシステムが使われる」
●デルファイ調査の課題
 ■売上額の2分の1が海外で発生するような多国籍化した日本の大企業では、その中枢を担う管理職、専門職の3分の1以上について外国人労働を活用するようになる(-/2016年)
 ■単に言語を通訳するにとどまらず、発言の背景にある文化、慣習や社会規範などの情報を表示して国際コミュニケーション、相互理解を促進する技術(2013年/2021年)
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9.自動通訳機
「多言語の自動通訳機を介してのコミュニケーションが一般化する。また、日本語−英語間の文書の自動翻訳が日常生活、専門分野ともほぼ問題がない精度に達する。さらに、一般の会話が外国語と同時通訳可能になり、ごく普通に使われるようになる」
●デルファイ調査の課題
 ■言語のリアルタイム翻訳機能が付加された電話の一般化(2017年/2025年)
 ■webの自動言語翻訳機能の向上によりWeb上の多言語にわたる情報を特定一言語で容易に検索可能になり、必要な情報を瞬時に世界中から引き出すことのできる知識のレポジトリー・システムが構築される(2010年/2015年)
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10.無排気ガス車
「燃料電池自動車や小型の電気自動車等の低環境負荷自動車が実用化し、都市内での日常的な短距離移動目的で、多く使われるようになる。
運行ルートが決まっているバスやゴミ収集車などには、中・大型車であっても電気自動車や燃料電池車が使われるようになる。
再生可能エネルギーを用いた水素製造技術や低コスト水素輸送技術が確立し、本格的な水素社会実現に向けて普及活動が開始される。
都市間移動や幹線物流には、バイオマス燃料を活用した高効率エンジン車やハイブリッド車が中心となる」
●デルファイ調査の課題
 ■燃料電池を搭載した交通機関(自動車、船舶など) (2012年/202一年)
 ■燃料電池自動車への水素供給インフラネットワーク(2013年/2023年)
 ■煤塵、NOX等の出ないクリーン燃料(水素を除く)(2014年/2021年)
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11.教育で実際の社会人の体験を聞かせるリタイア後の地域活動
「映像・苦声のコンテンツから内容に関するデータを自動的に抽出できる技術が実現されており、シニアが保有する経験や知恵を子供に伝承する情報へと簡単に編集できる『潜在知の顕在化』システムが実現されている。
この結果、シニアが中心的となり、豊富な経験を次世代を担う子供に語る地域活動が行われている。世代間のコミュニケーションが進み、シニアが活き活 きと生活している」
●デルファイ調査の課題
 ■高齢者、身体障害者が情報ネットワークに参加しやすい情報端末機器およびソフト(2009年/2014年)
 ■映像・音声のコンテンツから内容のメタデータ(情報に関するデータを表すデータ)を自動的に抽出する技術(2013年/2020年)
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12.日本の環境撃ビジネス
「排ガス処理技術や水処理技術のような環境浄化技術、そして省エネルギー技術などに代表される日本が持つトップレベルの技術によって構築された、持続可能な循環型社会は海外でも羨望され、多くの国々からノウハウを学ぶために、多数の研修者が来日する。
アジアの若者が日本の大学などで環境について学び、帰国してから母国の環境経済を改革していく姿が数多く見られるようになる。
 また、優れた環境教育を受けた人材が世界の様々な場所で活躍するようになり、環境技術革新で環境ビジネスが拡大するとともに、日本企業の国際競争力が向上し、アジア・世界の環境市場を牽引する社会となっている。
こうした社会を支える日本の環境文化や価値観は、地球規模の環境問題が深刻化する中で世界が共生して行くためのパラダイムとしても高く評価され、先頭に立って実践する日本はアジアそして世界の中で大きな存在感を示す国となっている」
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13.CO2の削減
「石炭から大量かつ廉価に代替天然ガスを製造する技術が開発され、世界に普及する。石炭をガス化し、メタンを直接製造でき、付加価値の高い化成品を併産することができる」
●デルファイ調査の課題
 ■石炭やバイオマス、廃棄物のガス化による発電及び合成燃料  製造技術(2010年/2018年)
 ■環境にCO2を排出せずに石炭から水素を製造する技術  (2016年/2027年)
 ■非化石エネルギー等C02排出の少ないエネルギーを用いた  製造工程(2014年/2023年)
 ■電車等において回生エネルギーの蓄積や変電所のピーク時負荷軽減を図るための、フライホイールや燃料電池などの車載用エネルギー装置(2012年/2019年)
 ■二酸化炭素を海底下に国定する技術(2015年/2025年)
 ■CO2分離・隔離・貯留技術(2015年/2027年)
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14.バイオ・エコ産業
「土着の微生物を利用して土壌中のダイオキシン類や重金属を効果的に除去する技術が実用化され、世界に普及している。環境影響評価のガイドラインの策定が各国共同で行われ、世界の生態系保護に員献している」
●デルファイ調査の課題
 ■植物・微生物を利用して土壌中のダイオキシン類や重金属を効果的に除去する技術(2014年/2022年)
 ■化学物質(有害物貿使用規制<ROHS>の代替物賞を含む)のリスク評価のために社会的に合意されたツールの整備・標準化(−/2013年)
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15.アルツハイマーの薬/がん、心筋梗塞、脳卒中の適切な処方/臓器の再生/予防医療
「高齢者および身体障害者は、加齢により磨耗した骨を再生させる治療に例をみるように、細胞治療・再生医療により身体機能、運動機能や感覚機能を回復・補完している。
特に骨や筋等の運動器系を機能回復させることにより、日常生活に必要な動作が可能になり、活動的な生活を送っている。
また加齢とともにそのリスクが高くなると考えられている、脳梗塞や脳血管性痴呆、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患に罹患した場合には、神経細胞の細胞治療・再生医療を受けることにより(機能を)回復する。
 さらに、骨粗しょう症の予防投薬や神経変性疾患の発生の発症予防等、身体の衰えや加齢に伴い増加する疾病に対して、予防的治療を積極的に受けることにより、高齢になっても疾病になりにくい身体を維持している」
●デルファイ調査の課題
 ■老人性骨粗しょう症の予防法(2013年/2019年)
 ■病原体の同定と薬剤感受性の評価が1時間以内でできる自動  機器(2013年/2021年)
 ■肥満を効果的に改善する薬物(2014年/2021年)
 ■経口によるインスリン治療法(2014年/2021年)
 ■HIV感染を根治させる治療法(2014年/2021年)
 ■ウイルス性肝疾患を治癒させる薬(2014年/2022年)
 ■がんのオーダーメード治療(2014年/2023年)
 ■アトピー性皮膚炎などのアレルギ1疾患を根治させる治療法(2015年/2023年)
 ■動脈硬化病巣の局所治療が可能な遺伝子治療法(2015年/2024年)
■自己免疫疾患を治癒させる治療法(2018年/2025年)
■糖尿病の遺伝子治療法(2018年/2027年)
■胚性幹細胞を用いた障害臓器の再生治療技術(2020年/2029年)
■アルツハイマー病の根治薬(2019年/2029年)
■顎ソストロフィーに対する筋再生治療法(2020年/2029年)
■がんに対する遺伝子治療法(2018年/2029年)
■神経変性疾患発症予防法(2020年/2030年)
■がんの転移を防ぐ有効な技術(2020年/2030年)
■神経幹細胞の移植により、運動麻痺の回復を促進する治療法 (2020年/2030年)
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16.コンピュータにより多様な人との意思の疎通ができる
「感覚・言語能力・認知機能に障害がある人が自分の意思裏表することを助ける意思疎通システムが発展し、他の人もこれらの人の考えにいまよりも注意を向け、的確に理解できるようになって、それぞれの生活の質が大きく改善している」
●デルファイ調査の課題
 ■障害者が自分の意思を言語に変換できるポータブル会話装置(2014年/2021年)
 ■認知障害者二言語障害者への意思疎通システム(2015年/2023年)
 ■病気などにより会話や筆談などが困難な人の意思を脳活動から読み取り、他者との円滑なコミュニケーションを支援する技術(2015年/2024年)
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17.介護ロボット
「家庭用ロボットや支援機器が普及し、高齢者や身障者ができる限り自立して生活することを助ける。その結果、社会で働く能力を維持できる。
同時に、家族などの介護者の負担を軽減する社会システムが充実する。
介護専門家の育成・訓練体制や労働条件が整備され、この一環として、重度心身障害者の介護用ロボット・機器などの普及が進む」
●デルファイ調査の課題
 ■被介護者に不快感・不安感を与えず、入浴などについて介護者を支援するロボット(2012年/2016年)
 ■高齢者や身障者が、食事、入浴、排泄、娯楽などを介助者なしに自ら行うことを支援するロボットや機器を備えた住宅(2013年/2020年)
■重度心身障害者の介護用ロボット(2015年/2024年)
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18.遺伝子情報診断
「個人は、体の中の種々の分子情報に基づいた高度診断法により、様々な疾病の早期診断を受けて、将来において重度な疾病にかかりやすいかどうかを予測してもらっている。疾病の易躍患性診断をしてもらい、病気のリスクを知ることによって、個人は健康維持に対するモチベーションを上げて疾病予防に努めている。その結果、病気になる年齢を遅らせることに成功している」
●デルファイ調王の課題
 ■生活習慣病のリスクを正確に反映する血液検査と尿検査(2013年/2019年)
 ■ゲノム情報による個別医療促進のための一般向け健康教育システムの拡充整備(/2020年)
 ■臓器、組織の移植における拒絶反応の早期診断法(2014年/2021年)
 ■ゲノムによる疾病の易篠患性診断法(2014年/2022年)
 ■DNA塩基配列情報から種々のゲノム機能を予測する手法(2014年/2022年)
 ■遺伝背景などを踏まえてがんや生活習慣病のリスクを推測できるバイオインフォマティックス(2014年/2023年)
 ■20個以上の糖単位が連なった糖鎖の配列を、分岐やリンケー ジを含めて自動解析する装置(2015年/2025年)
 ■lつの細胞を試料として、細胞内のすべてのmRNAの種類とコピー数を計測できる装置(2015年/2026年)
 ■ヒトゲノムの塩基配列解析を1日で完了することができる技術(20−5年/2026年)
 ■ほとんどすべてのがんの血液検査による早期診断法(2018年/2026年)
 ■生活習慣病のリスクをもたらす主要なSNPSの解明に基づくテーラーメード医療(2016年/2027年)
 ■がん化に関する複数の環境リスク因子間の関係が明らかになり、がんの有効な予防策が講じられる(2020年/2030年)
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19.コンパクトシティ
「今後、100年単位の人口減少を想定した市街地目標規模を設定した都市計画が行われる結果、土地やエネルギーを最も効率良く利用できる、コンパクトな都市の空間形態が実現する。
住居/中心市街地/商業/産業地域が適正配置され、職住が近接する。
ゆとりある街区設計がなされ、乱雑な建物配置が抑制され、水と緑が調和した風通しの良いオープンスペースが都市空間に生み出され、美しい都市景観がもたらされる」
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20.200年住宅
「長寿命な建物構造物が実用化されるとともに、既存建物を長期にわたり活用するための評価・保全・補強技術の開発も進む。
100年単位の時代の変化に柔軟に対応できる社会基盤の設計技術が確立し、耐用性に優れ、高効率、高性能、高信頼性かつデザイン性に優れた社会基盤・建築物が構築されるようになる」
●デルファイ調査の課題
 ■建物構造性能・環境性能のモニタリング・評価・保全技術(2009年/2015年)
 ■非破壊検査により既存構造物の健全性を調査し、合理的な補強をする技術(2009年/2015年)
■世代交代対応/業態変化対応可能な住宅・建築システム(2011年/2018年)
■高強度高じん性等に優れ、構造材料の性能を劣化させない溶接技術(2011年/2016年)
■鉄骨工事を大幅に合理化する、鉄骨のための高耐久二高性能接着剤(2014年/2023年)
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21.耐震基準
「免振・制震技術が進展し、建物安全性を飛躍的に向上する。
高度センサー技術を応用し、様々な建築構造物、社会基盤施設の耐震性を的確に評価可能となる」
●デルファイ調査の課題
 ■建物安全性と財産保全制の飛躍的向上をもたらす免振装置・制震装置(2007年/2013年)
 ■高層建物やタンクなどにおける、長周期構造の海溝型地震に対する耐震性評価と補強技術(2009年/2014年)
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22.太陽光発電
「発電単価4分の1を実現する低コスト化が実現し、戸建て住宅の約半分、集合住宅の15%に導入が進む。
2025年には屋根だけではなく、ビルの壁面にもカラフルでペインタブルな太陽電池が導入される」
●デルファイ調査の謙虚
 ■小型燃料電池高効率運用や太陽電池出力安定化の低コスト二次電池(2013年/2020年)
 ■高効率大面積薄膜太陽電池(2015年/2023年)
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23.バイオマス燃料
「セルロースからの低コストエタノール製造技術が確立し、輸送用バイオマス燃料が普及する。
穀物だけでなく、草木類、稲藁、間伐材の利用が可能となり、国内バイオマス資源の活用が進み、地方の休耕田や里山が再生する。
バイオディーゼル燃料の製造技術が確立し、アジア諸国と強力したプランテーションが一般化する」
●デルファイ調査の課題
  ■石炭やバイオマス、廃棄物のガス化による発電/合成燃料製造技術(2010年/2018年)
  ■サンベルト地帯遊休地でのバイオマスプランテーション(2013年/2023年)
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24.災害予報システム
「地震検知情報を瞬時に全国ネットワークに伝達し、地震到達前の迅速な初期活動を可能とする技術が実現する。
 個人レベルの位置情報が統合され、被災者の避難誘導や迅速な支援復旧を可能とする技術が普及する。
 センサーを内蔵し自己学習機能を備えた情報端末をネットワーク化することで、より詳細に災害情報が把握できる。
 災害危険地帯に迅速な非難勧告が可能となり、病院や公共施設等でも災害対策に活用される」
●デルファイ調査の課題
 ■地震検知全国ネットワークによる地震到達前情報伝達防災システム技術(2008年/2013年)
 ■中期的(5〜10年程度先)な大規模地震(M8以上)の発生  予測技術(2013年/2021年)
 ■個人携帯端末による避難誘導防災システム (2009年/2014年)
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25.いじめ(の減少)
「子供の身体的、心理的な状態を見守り、いじめがなく、健やかに学べる教育環境を実現できる」
●デルファイ調査の課題
 ■マイクロマシンに基づく超小型健康管理デバイス(2015年/2025年)
 ■人間の生体情報や表情、視線等の非言語的な情報から意図を理解する技術(2019年/2028年)
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26.個人を大切にして子供に合った目的で勉強できる
「子供の適性を早期に発見して得意分野の能力を伸ばす教育が可能となる。
より効率・効果・満足度の高いテーラーメードな教育手法が導入され、教師による教授を補うe-learningが活用されている。傑出した才能を育み世界的に高いレベルの学力水準を達成している」
●デルファイ調査の課題
 ■子供の考える力、創造する力、コミュニケーションする力などの健全な脳機能発達を促すメディア技術(2015年/2022年)
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27.子供が子供らしく育つ社会
「感情の理解・表出や社会性が発達する幼児期の重要性についての知識が一般に広く普及している。それに基づいて、家族や社会が協力して子供の発達を見守り育むようになる。多くの子供が、成長期に自然との触れ合いを十分に持って、健全な情緒や遂行能力を獲得するようになっていく。
社会で守るべきこと、他人に気遣い、自分のできることで社会や人に貢献することを学ぶようになっている」
●デルファイ調査の課題
 ■子供の考える力、創造する力、コミュニケーションする力などの健全な脳機能発達を促すメディア技術(2015年/2022年)
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28.電子マネー
「社会における基本的な経済活動を電子ネットワークベースに完全移管することを可能にするインフラである。
国内であまねく安心して使える電子マネーをその根幹とする。
これによりたとえば、1枚のカードで、すべての乗り物に共通の決済が可能になるだけでなく、貨幣、株式、保険、各種有価証券など経済活動に関係する価値情報のすべてが標準デジタルデータとして安全に流通することができるインフラである」
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29.GPSセキュリティ端末/子供たちの安全/セキュリティセンサー
「地域セキュリティシステムが家庭のセキュリティシステムと接続され、ボランティアなどにより地域の各家庭内から、通学路や遊び場など地域全体で見守りが行われている。
さらに子供に問題が生じた場合には、地域を巡回パトロールするボランティア等が情報端末にリアルタイムで地域セキュリティシステムから情報が送られ、必要な場合にはただちに現場へ急行できるようになっている。
子供が安心して外で遊べ、地域コミュニティの中で様々な体験ができる環境ができている」
●デルファイ調査の課塵
 ■防災・防犯、介護支援機能に加え多様なサービスをユーザに提供する生活支援型ロボット等を活用した家庭用セキュリティシステムが相互に接続された地域セキュリティシステム(2014年/2021年)
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30.見守るシステム
「監視システムの高度化により犯罪・事故の未然防止に役立っている。
大都市のように知らない人同士が隣り合って暮らす場所でも、安心して暮らすことができる」
●デルファイ調査の課題
 ■監視カメラがネットワーク化され、未然に挙動不審者を発見する自動的なサーベイランスシステム(2008年/2014年)
 ■顔と音声の認識により個人を99・9%以上の精度で本人であることを識別するセキュリティシステム(2012年/2018年)
■公共的空間に設置された監視カメラで認識し、人相・しぐさ・顔かたち・音声等を解析することにより、指名手配・重要参考人等の所在確認を支援する技術(2012年/2019年)--------------------------------------------------------------

31.家族の情報が把纏できる
「家族の関係が疎遠とならないように、バーチャル空間でも、家族の気配を感じられるような工夫がなされるようになる」
●デルファイ調査の課題
 ■各種の情報やサービスの提供により充実した生活を実現すると同時に、ユーザである遠隔地の核家族同士が相互に安全や健康を確認できるロボット(2013年/2017年)
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32.インテリジェントステッキ
「バリアフリー、ユニバーサルデザインが進み、居住空間での行動が容易になる。また、身の回りを支援するロボットが活用される。さらに、高齢者の身体の状態に応じて移動や歩行をアシストする機器・システムが数多く実現され、高齢者が自立した社会生活を長く続けることができる」
●デルファイ調査の裸題
 ■障害者、高齢者の社会生活が格段に拡大する、高性能移動・歩行支援機器ノンステム技術(2011年/2017年)
 ■庭の手入れ、病人介護、家事など様々な目的に応じたロボットをリースするサービス(2013年/2021年)
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33.合成音声/人工絹頗視覚ゴーグル
 高齢者および身体障害者は、利用者登録制度を通じ感覚補綴<ほてい>(感覚機能を回復・補充し、あるいはその劣化を抑制すること)のための治療を受けることにより、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚を適正に補充し、不自由なく活動的な日常生活を送っている。熟達した訓練士が指導するリハビリテーションを受けることにより、義手・義足でも違和感なく短期間で使えるようになっている。
●デルファイ調査の課題
 ■日常生活活動拡大のための障害者評価・訓練プログラムの一  般化(/2015年)  ■認知障害者二言語障害者への意思疎通システム(2014年  /2023年)
 ■高次脳機能障害者の評価・治療法(2015年/2024年)
 ■味覚と物性を感知、分析する精密食味分析ロボット(2014年/2024年)
 ■コンピュータを用いて脳の運動関連活動を信号化・伝達することにより、脊髄・末梢神経を介さずに義肢などを随意的に制御する技術(2018年/2029年) 
 ■感覚機能を備えた義手・義足(2021年/2031年)
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34.育児ロボット
「生活支援ロボットを含む家庭内セキュリティシステムにより、家庭内での子供の安全確保が行なわれている。
家庭内セキュリティシステムが地域セキュリティシステムと相互接続することにより、生活支援ロボットで対応ができない場合には地域で子供の安全が保証される仕組みが実現されている。
短時間であれば、安心して種々の用事のため、子供を家庭に置いて短時間の外出が可能となる」
●デルファイ調査の課題
 ■防災、防犯、介護支援機能に加え多様なサービスをユーザに提供する生活支援型ロボット等を活用した家庭用セキュリティシステムが相互に接続された地域セキュリティシステム(2014年/2021年)
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35.リタイア(シニアライフ)
「どの地域でもインターネットなどの活用により、費用を気にせず低価格で自由に芸術活動を鑑賞できる。
また、遊び、芸術、文化活動にかかる個人的活動を促進する仕組みが実現され、シニアが地域で充実した生活を送れる」
●デルファイ調査の課題
 ■遊び、芸術、文化活動にかかわる個人の趣味的活動を促進し、それを学問あるいは技術の発達につなげるような仕組みが大学、企業、地方自治体で実現する(−/2014年)
 ■美術、演劇、映画、音楽、文学、その他の芸術活動において、少数の消費者しか存在しないため存立が危ぶまれている活動について、それらの消費者がインターネット等の通信手段を利用して、これまでよりはるかに低費用でそれらの芸術活動を鑑賞し、複製を入手するシステムが開発され、消費者が増加しなくとも、アクセス費用が低下することで小規模な芸術活動についても採算が取れるようになる(2008年/2013年)--------------------------------------------------------------

36.日本のバイオ技術と環境技術
「土着の微生物を利用して土壌中のダイオキシン類や重金属を効果的に除去する技術が実用化され、世界に普及している。環境影響評価のガイドラインの策定が各国共同で行われ、わが国の世界の生態系保護に員献している」
●デルファイ調査の課題
 ■植物・微生物を利用して土壌中のダイオキシン頬や重金属を効果的に除去する技術(2014年/2022年)
 ■化学物質(有害物質使用規制(ROHS)の代替物質を含む)のリスク評価のために社会的に合意されたツールの整備・標準化(−/2013年)
 ■湿地における生態系および生物多様性の再生技術(2014年/2021年)
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37.クリーン発電
「風力や太陽光などの自然エネルギーによって発電された電力が一日を通して安定して供給され、CO2の削減に大きく員献する」
●デルファイ調査の課題
 1変換効率が年20%以1の大面積薄膜太陽電池(2015年/2023年)
 ■太陽エネルギー変換効率、3%以上の人工光合成技術(植物の光合成は1%程度)(2030年/2039年)
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38.節水型農業技術
「少ない水で食料生産を行う節水型農業技術が日本で開発され、アジアや世界の水量の乏しい地域に普及する。
わが国は宇宙環境での生命維持システムの開発で世界のトップクラスの研究を行っており、限られた水で野菜や穀物を生産する装置のための技術が地上での農業にも応用できるようになる」
●デルファイ調査の課題
 ■宇宙で野菜、穀物、動物タンパク質等の食料が自給できる閉鎖生態系を利用する生命維持技術(2022年/2032年)
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39.海水淡水化技術/循環型水処理
「地域単位で雨水や地下水を有効利用するコミュニティが形成され、日本の水処理技術によって水が経済的に循環利用されるようになり、世界にも普及する」
●デルファイ調査の課題
 ■逆浸透膜などによる、経済的・実用的な海水淡水化、汚染水  浄化技術(2006年/2013年)
 ■自然エネルギーの利用と雨水・地下水のシステム的利用を可能とする戸建住宅技術(2009年/2017年)
 ■長寿命⊥高安定性を有する分散型浄水処理技術(2012年/2021年)
 ■水質管理∴宋毒塩循環および衛生保持を可能とする分散型生態学的下水処理技術(2013年/2021年)
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40.地球観測衛星/CO2排出量
「人工衛星搭載センサーの高度化により、地球温暖化ガスの国別排出量などの高精度のデータが取得されるとともに、生態系・水循環、農産物など多様な情報をリアルタイムで入手できるようになる」
 ■二酸化炭素ガスの国別吸排出量を人工衛星により高精度で観測する技術(2014年/2022年)
 ■地球規模のセンサーネットワークを用いた、農林水産生態系における主要元素・物質循環モニタリングシステム(2019年/2029年)
 ■陸域における水、土壌水分、析出塩濃度、氷雪分布等を全地球的に空間分解能−km以下で測定する人工衛星
 ■搭載用マイクロ波放射計(2013年/2021年) 
 ■リモートセンシンク技術等を活用して、農産物の収穫予測や、森林バイオマス量、リアルタイムの海洋環境情報などに関して、あらゆる気候帯、地形帯を含む地球規模の農林水産資源や環境の実用情報を定期的に提供するシステム(2014年/2023年)
■植生の分布に関する高精度衛星搭載センサーおよびインターネットを利用した環境モニタリング技術(2010年/2019年)
■排出インベントリーデータがモニタリングによって検証される(2012年/−)
■様々な飛行体を用いて、試料の採取、測器の設置・回収等を機動的に行う海洋観測体制(2013年/2020年)
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41.日本のエネルギー技術
「2003年に改正された分散型電源から自営線敷設が各地で整備され、地域の特徴のあるエネルギー源や負荷を組み合わせたマイクログリッドの実証実験が行われ、その成果は国内のみならず世界で注目される」
●デルファイ調査の課題
 ■家庭用小型コジェネレーションシステム(2009年/2015年)
 ■自然エネルギー、自然通風、自然採光などを利用した、エネルギー自立型建築システム(2008年/2015年)
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42.小型原発
「原子力から水素が製造され、その技術がアジアを中心に世界で普及する。水素製造などの熱利用システムに供給するための比較的小型の原子炉システムが日本で開発される」
●デルファイ調査の課題
 ■中・小型熱電併給原子炉(2018年/2031年)
 ■原子力を利用した熱化学分解法によるエネルギー用水素製造プロセス(2021年/2032年)

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 どうです?25が「いじめがなくなる」ではなくて「減少する」ってところがいいですね。
 あと「個人を大切にして子供に合った目的で勉強できる」とか「子供が子供らしく育つ社会」というのも、いかにもオカミって感じですね。男の子はスカートめくり、女の子はケンパ(って方言?)でもしろっていうのでしょうか。

 でも、それって「イノベーション」なんでしょうか?
 語源を調べたほうが良いんじゃないかな。

 イノベーションっぽいのは後半ですね。
 とくに42の「小型原発」ってのがいいですね。

 これってほとんどゲンバクですよ。

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